確実な引っ越し
一方アメリカの自動車メーカーは、恐慌が発生した29年の時点で約470万台を作っていた。
それが110万台ぐらいの生産水準にまで、一挙に落ち込むことになった。
要は29年不況の頃は、自動車の競争力については、世界的に非常に大きな格差があったのである。
何といってもアメリカが王国であって、次が自動車を初めて生んだヨーロッパということになるが、当時はアメリカが圧倒的に強かったのである。
さらに、もうひとつの大きな違いは、29年恐慌という5年以上も続いた不景気からの脱出の牽引車となったのは、実をいうと、アメリカのビッグスリーだったということだ。
要するに、ビッグスリーは景気回復の先導役を演じていたのである。
ところが、今回は景気回復の先導役どころか、このような不景気をつくり出す元凶になっている。
しかも、GMやクライスラーというビッグスリーの主要企業は軒並み、公的資金の救済を受ける以外に生き残る道がないという状況であった。
さらに、公的資金を注ぎ込んでも果たして大丈夫かわからないという状態になっていた。
要するに、「チャプター11」というアメリカの連邦倒産法でもう始末したほうが早いのではないかという状態にまで陥っていたのだ。
アメリカの議会の中でも、「たくさんの日本のメーカーが進出してきて、アメリカで自動車を作っているのだから、こうなったらトヨタやホンダに任せた方がいいのではないか」米国金融バブルに踊った自動車産業と、公言する議員さえ出ていたという。
このように、自動車不況どころか、自動車が逆に今回の不景気の足を引っ張る、ある意味では元凶に近いような位置づけになっているのだ。
しかも、GMやフォードが「危ないぞ、危ないぞ」といわれ出してからすでに2年以上が経っている。
彼らが「このままでは危ない」ということは、随分前からわかっていたのである。
こうしたなか、日本の自動車メーカーは、ますます世界に冠たる勢いでシェアを伸ばし、とくにトヨタは世界第1位間違いなしということになった。
また、他の日本の自動車メーカーも、それまで円安がある程度続いたものだから、輸出で儲かり、現地生産でもちゃんと採算がとれ、アメリカで儲けたカネを注ぎ込めば充分、競争と消耗戦の激しい国内市場も支えられるという構図を描いていた。
そして少なくとも、2008年10月ぐらいまでは、トヨタは実質的にGMを追い適していたし、世界ナンバーワンの位置を、その後も一層強固にするであろうという見方が支配的だった。
加えて、アジアの自動車市場がこれから活性化するにつれて、日本の自動車メーカーは、環境技術という側面でも、ハイブリッド・カーをはじめ一定の成果を挙げていたので強みがあり、その一方で、これまで競争相手として意識していたビッグスリーがこけてくれたものだから、彼らがこければこけるほど、自分たちの方はもっと強気の経営をやっても大丈夫だと思っていたのである。
ところが、2008年10月頃から事態が急におかしくなった。
「あれよ、あれよ」という間に、売上げが25%減と落ち始め、それだけでなく、突然自動車の販売を支えていた金融が回らなくなった。
つまり、信用収縮が突発的に自動車産業を襲ったのである。
この現象は、主としてアメリカ市場がひどかったが、アメリカだけでなく、第二の輸出市場であり、そして現地生産もやっているヨーロッパも同じようなことになった。
さらにその余波を受けて、新興国のマーケットでも売上げが落ちてきた。
非常に好調に走っていた日本の自動車メーカーだったが、世界同時不況の影響で、その業績が急速に悪化したわけである。
この意味について考えると、今回の世界同時不況の元凶である世界金融危機の影響については、日本の自動車メーカーといえども、どうしても避けられなかったということだろ、つ。
ここで改めて思い至ることは、米国自動車市場において、60年そこそこの間に自動車の販売台数が500万台未満から1700万台にまで伸びた背景には、ローンによる借金を恐れない米国民のマインドがあり、それを支えてきたのは、巨額の信用が創造してきた過剰なマネーサプライだったということである。
米国民の実質所得=実質購買力をはるかに超えた過剰信用の供給に歯止めがかからなくなり、これが金融のグローバル化の中で、不動産バブルや借用バブルと一体化したと考え米国金融バブルに踊った自動車産業てもよい。
アメリカ経済がグローバル化する以前には、景気安定やインフレ対策で、自動車ローンの金利規制はきちんと実行されていたが、その歯止めがきかなくなったと見ることもできる。
それだけに、突然の信用収縮は、まさにグローバルバブルの行き詰まりの必然的結果だったといえるかもしれない。
ビッグスリーはなぜ急激に崩壊したか?投資銀行そのものだったアメリカ合衆国一昨年の秋ぐらい、フランスの大手銀行パリバが経営危棟に瀕しているといわれるようになった。
その原因を探っていくと、アメリカにおける、いわゆるサブプライムローン(低所得者層向け住宅ローン)の問題に突き当たる。
住宅バブルに沸いたアメリカでは、金融機関が低所得者層に住宅ローンをどんどん貸し付け、そのローンを証券化して作られた金融派生商品が、住宅バブルの崩壊とともに始まったローン焦げ付きの大量発生とともに、軒並み危なくなった。
そしてその影響が、いつの間にか外資系銀行のパリバのようなところにも波及したのである。
証券化された金融派生商品とは、商品のリスクを他に転嫁する術がいろいろ編み出された金融工学が生みの親で、なかにはそれでノーベル賞をもらった人もいるわけだが、金融工学のおかげでリスクをヘッジする金融商品が一時儲かったものだから、どの銀行も皆、これに手を出した。
ただ日本の銀行は、国際業務にはあまり通じていない傾向があったため、危ない橋を渡らなかった。
もちろん、サブプライムローン問題によって、巨額の損失を計上した金融機関もあったが、破綻するまでの深みには散らなかった。
パリバが「危ない、危ない」といわれた頃、「このまま放っておいてはいけない」という声もあった。
しかし、「これはせいぜい金融業界だけの問題だろう」という声が一般的であった。
だから実体経済にまで、すぐには大きな影響が波及しないだろうといわれていたのである。
ところが昨年の9月になり、アメリカを代表する有力投資銀行リーマン・ブラザーズが破産した。
その後、今度は最大手の保険会社であるAIGも経営問題に直面(その後、巨額の公的資金を援助され経営再建に)。
さらに、アメリカの金融コングロマリットとして、M&Aなどの国際業務も手がけてきた最大手シティ・グループも、巨額の公的支援を受け入れなければならないほどの困難な状況に置かれた。
今は彼らの事業は解体される方向だが、明らかにされた不良債権は、なんと800億ドルという額であった。
その後、アメリカの有力投資銀行や保険会社の見込み損失というものが次々と表沙汰になっていったが、どれも途方もない数字である。
これは翻っていえば、ある時期の彼らは、金融バブルによって、途方もない儲けを出していたということだ。
そして経営者もまた、それによって、やたらと高い報酬を得ていたということである。
オバマ大統領は、公的支援を受けたAIGの幹部に巨額のボーナスが支給されることを知って、「恥を知れ」と罵ったが、それくらいの高給を得るのが常だったということだろう。
引っ越しです。怖いもの知らずの引っ越しです。
引っ越しに注目が集まっています。インパクトのある引っ越しです。
引っ越しを笑って続けよう!生まれ変わった最新の引っ越しです。
